コンタクトレンズの使用は慎重に。まずはご相談ください
コンタクトレンズは、目に直接入れて使用する視力矯正器具です。そのため、ご自身の目に合ったものであることは当然ながら、目の大きさや角膜の状態、涙の質や量などをしっかり検査したうえで作製する必要があります。
こちらでは、足柄上郡開成町の「眼科さくらクリニック」が、コンタクトレンズの使用について知っておいていただきたいことをご紹介します。コンタクトレンズの使用に関する正しい知識を身に付け、大切な目にできるだけ負担やダメージを与えないようにしましょう。
酸素透過性と目に与える影響
眼球壁の外層前面を覆う透明な「角膜」は視力を左右する重要な器官であり、透明である必要性から血管が通っていません。そのため角膜は血管からではなく、大気中から酸素を直接採り入れること(呼吸すること)で生理機能を維持しています。眼を覆うように装用するコンタクトレンズには、この角膜の呼吸を妨げないこと(酸素透過性が高い素材であること)が求められます。
酸素透過性が低いコンタクトレンズを長時間装用していると、眼が酸素欠乏状態となり、バリア機能が低下して感染症を招いてしまったり、角膜の一番奥にある内皮細胞が死滅・減少して角膜の透明性が失われたりするなど、さまざまなトラブルを引き起こす原因になります。
死滅した角膜細胞は再生できません
正常な角膜内皮(角膜の一番内側にある細胞の膜)は、小さな六角形が規則正しく並んだ形状をしています。この角膜内皮は常時水分を排出して角膜の透明性を保つ働きをしていますが、細胞分裂による増殖能力を持たないので、酸素欠乏によって死滅すると、二度と再生することはありません。角膜内皮の損傷がひどい場合は、将来的に白内障の手術が受けられないこともあるので注意が必要です。
カラーコンタクトレンズ(カラコン)の使用について
現在、ファッションのひとつとしてカラーコンタクトレンズ(カラコン)を使用される方が増えてきました。こうしたレンズには度が入っていないことも多く、手軽にオシャレができるということで購入される方も多いようです。しかし、カラーコンタクトレンズによるトラブルが相次いでいることをご存知でしょうか?
ファッションを目的としたコンタクトレンズの場合、眼科医の処方を受けずに使用する方が多く、その方の目に合わないケースが多々あります。さらに、商品の中には十分な酸素透過性がなく、角膜細胞に悪影響を与えるものも少なくないようです。カラーコンタクトレンズを装用する際は充分に注意し、違和感を感じた際は早急に医師に相談しましょう。
コンタクトレンズ・眼鏡の処方について
当院では、使い捨てのソフトコンタクトレンズのみを取り扱っています。ハードコンタクトレンズおよび使い捨てでないソフトコンタクトレンズの取り扱いは行っておりません。
コンタクトレンズ処方は、まず装用の可否について診察させていただき、予約日に検査・発注を行います(使用が初めての場合は装用のトレーニングもあわせて行います)。コンタクトレンズは当院指定の業者からご自宅に直接配送させていただきます。診察当日のお渡しはできかねますのでご了承ください。またコンタクトレンズ処方箋の発行は行っておりません。
眼鏡についても診察のうえ、予約日に検眼・処方を行います。